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新たな病院運営改革ビジョンに対する連絡会事務局長コメント

東京から都立病院をなくすな!
小池知事は新たな病院運営改革ビジョン(素案)による
地方独立行政法人化の撤回を求めます
2019年12月26日
都立病院の充実を求める連絡会 事務局長 高橋 美明

12月25日、病院経営本部は新たな病院運営改革ビジョン(素案)(「ビジョン」)を発表しました。
ここでは都立病院の現状と課題をふまえ、都立・公社病院の経営形態で「地方独立行政法人が最もふさわしい」とし、14病院を一つの機構で運営する方針を打ち出しました。
小池知事は都立・公社病院「独法化」の撤回を
そもそも東京都は都立病院の経営形態について「メリット・デメリット」を検証し検討を進めるとしていましたが、小池知事が検証も行わずに地方独立行政法人化(「独法化」)を進めると突然発表しました。そのやり方は独断的であり許すことはできません。「独法化」の発言を撤回すべきです。
「独法化」ありき、検証に値しない内容
「ビジョン」は国の「新公立病院改革ガイドライン」に無批判に従い、第3章で経営形態の比較を行っています。それも地方公営企業法全部適用、独立行政法人、指定管理者制度の3つに絞り比較しています。
現在の都立直営(地方公営企業法一部適用)は問題点だけ記載し、地方独立行政法人はメリットのみを掲げ、デメリットの検証は一切行われていません。これでは検証に値しない「独法化」ありきの一方的な内容です。
「独法化」は都立病院にふさわしくない制度
・都立病院の「独法化」は民営化への第一歩で、患者の負担増につながります
・「独法化」しなくても予算・人事など柔軟な運営は可能です
・安定的な医療人材確保が難しくなり医療サービスが低下します
・公務員がいなくなって地域医療連携や災害対応が困難になります
・議会の監督機能・チェック機能がほとんどなくなり、都民要求が反映できません
東京都保健医療公社病院は都立直営にもどすこと
今回の「ビジョン」で初めて公社病院を「独法化」する内容が示されました。ところが、その内容は「独法化」で示したメリットを一方的に強調しているのが大部分で、スケールメリット・一体化が唯一の理由となっています。公社6病院のうち4病院(荏原、豊島、大久保、多摩北部医療センター)はもとは都立病院であり、石原都政によって都民の反対を押し切って公社化したものです。公社病院は都立直営にもどしてこそ役割を発揮できます。
都立直営で都民のいのちを守る都立病院の充実を
「ビジョン」は「独法化」の形態として14病院を一括して運営する地方独立行政法人東京都病院機構(仮称)を設立し、一体的に運営をすすめるとしています。
その内容は、①行政的医療や高度・専門医療の充実、②地域医療への貢献、③人材確保・育成、④安定的な病院経営をあげています。
しかし、これらの内容は都立直営でこそ実現できる内容です。連絡会は都民のいのちと健康、福祉やくらしと直結した「都民によりそう明日の都立病院(5つの提案)」(2019年10月19日発表)を都立直営ですすめることを提案をしています。
小池知事と東京都病院経営本部は、都立・公社病院の「独法化」を中止することを強く求めます。
新たな病院運営改革ビジョンに対する連絡会声明(pdf)

病院経営本部 新たな病院運営改革ビジョン(pdf)はコチラ