【 声明 】
第1回定例都議会に小池都知事は「都立病院廃止条例」を提案し、都議会は、賛成多
数でこれを可決、 7 月から都立・公社病院を地方独立行政法人へ移行することを認めまし
た。
しかし、この地方独立行政法人化は検討段階から違法性や利権問題が指摘されてい
ます。
私たちは本定例都議会に
5 万 7,511 筆の署名を添えて「独法化中止」を求める請願を
提出していました。
この声に応えることなく、コロナ禍前に策定した「都立病院を廃止し、公
社病院とともに地方独立行政法人に移行する方針」を見直す事なく議会に提案した知事と
これに賛成した会派・議員に 、私たちは怒りを持って抗議します。
新型コロナウイルス感染が広がる中で都立・公社病院は都民のいのちを守るためにコロ
ナ対応病床を全国トップレベルで確保し、職員をコロナ対応支援に派遣し、都民のいのち
と暮らしを守る大きな役割を果たしています。
この間の都の広報でも議会論議でも、コロナ
禍中で、そうした成果の検証や運営形態を大きく変える必然性に対して合理的な説明はほ
とんどされていません。
都立・公社病院を廃止し、地方独立行政法人に移行することは、約7千人の都の職員の
身分を奪うと同時に、法人は移行された約7千床を含め 、採算優先の運営を求められること
になります。
そうなれば、都直営時に比べて差額ベッド料など保険外での収入増、人件費
などの経費減に拍車がかかり、患者にとっては医療費負担が増えることが懸念されます。
ま
た都立病院が設立時から担ってきた感染症や精神科医療、難病、災害医療など採算のと
りにくい医療の後退、経験によるスキル蓄積の後退につながることは、先に独法化された病
院の例を見ても明らかです。
独立行政法人化は、都民へ医療提供体制を弱体化させるばかりか、東京都として都民
のいのちを守る責務を放棄することになります。都民の声も 都議会の関与が弱まることから、
従来に比して届きにくくなります。
私たちは、これまで「都民のいのちをまもる」ために東京都として担ってきた役割を継続さ
せるため、「都立病院廃止条例」の施行を中止し、7月からの都立・公社病院の地方独立行
政法人への移行の撤回を求めるものです。
そのために、引き続き力を尽くす決意です。
2022年 3 月 25 日
人権としての医療・介護東京実行委員会
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